長期投資をするときに知っておきたいこと
つみたてNISAやiDeCoのような制度は、長期間にわたって毎月一定額を投資することで将来の資産を育てましょう、という投資方法ですが、このような長期投資がなぜ資産運用に効果的なのかというのを理解しておくと、長期投資で失敗する可能性をグンと減らせます。
長期投資とはズバリ、「将来の経済の成長に向けて分散投資する」ということです。
「将来の経済の成長」とは
長期投資では、将来は今より経済が成長している、ということを前提に投資を行います。
例えば、今から20年前の2000年はiPhoneのようなスマホやAmazonのようなオンラインショッピングサービスはありませんでした。
20年かけて経済が発展し、自宅にいながら商品を購入して翌日届くといった便利な社会になったわけです。
さらに20年前の1980年にはインターネットや携帯電話すらまだ普及していません。ネットを通した情報収集や発信ができるのも、この20年間の技術の発展があればこそです。
このように、経済は長期的にみると右肩上がりに成長してきています。
長期投資では、過去ずっと右肩上がりに経済が成長してきたのであればこれから将来もきっと成長していくだろう、という点を前提として経済の指標である株に投資を行うものです。
ですので、数ヵ月や数年という短期の経済の低迷や株価の下落は、長期投資では気にしません。
ファンダメンタルやテクニカルのような分析手法をほとんど知らなくても投資できるという点は、投資初心者にとって大きなメリットとなります。
「分散投資」とは
投資とは安く買って高く売ることで利益を得るものですが、「なに」を「いつ」買えば将来高く売れるのか買う時点では正解がわかりません。
これから伸びるだろうと思って一転集中投資した企業が倒産し、投資した資産がなくなった、ということは避けたいわけです。
そこで、「なに」を「いつ」買えばいいかはわからないという前提にたって、集中投資ではなく広く分散させて危険度を下げる、というのが分散投資の目的です。
「なに」をについては、買う対象を分散させます。
例えば、特定の企業の株のみを購入するのではなく、複数企業をちょっとずつ買うであったり、複数企業の株価指数に連動する投資信託を購入するようにします。
また、企業数だけではなく企業のジャンルや地域、国などについても分散し、自分の資産が特定の企業の成長に大きく依存するという危険度を下げ、複数企業の平均的な成長の恩恵を受けられるようにします。
「いつ」については、買うタイミングを分散させます。
もし株価が暴落したタイミングで買い、暴騰したタイミングで売ることができれば、利益を最大化することができますが、ふつうの投資家ではそのタイミングを見極めるのはムリです。
ですので、暴落しようが暴騰しようが関係なく、一定間隔で購入し続けることで購入価格を平均化します。
そうすることで、株価が長期的には右肩上がりに成長するのであれば、将来的に売却するときの価格と平均的に購入した価格の差額が利益になる、という考え方です。
長期投資で気を付けること
投資の期間が長期であればあるほど、期間中に株価の大暴落を経験する可能性が上がります。
過去30年くらいにおいては、10年に一度のペースで大暴落が発生しています。(2001年:ドットコム・バブル崩壊、2009年:リーマンショック、2020年:コロナショック)
積立期間中に大暴落が発生すると、積み立てている資産がだいたい30%~50%程度減少しますが、資産の減少に耐えられなくなって積み立てをやめてしまったり売却したりすると、がんばって投資してきたものが水の泡になってしまいます。
暴落のタイミングこそ継続購入することで購入平均価格を下げ、運用終了時の利益の増加に繋げる必要があります。
長期投資をするなら、一時的な景気の動向に左右されることなく、将来に向けて淡々と継続することを心がけましょう。
★★★資産運用記事のまとめ★★★:長期投資のすゝめ
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